小説
ヲタク道っ! 第二章

ゼーハーゼーハー・・・
学校に到着。
「行くぞォォ!!!」
気合十分に椿は校門をくぐった。

      ***
「ムリです。はい。」

終わった。
生徒会長の先輩、咲坂幸亜(さきさかゆきあ)に、「同好会らしきものを部活に取り入れたい!」とたのんだところ、上のように、あっけなく断られてしまった。
だか、椿は引き下がらない。
「なっっ!なんでですか!?」
幸亜に大声でせまる。
幸亜は、椿をけげんそうに見て、溜息のように言った。
「同好会?馬鹿みたい。私はくだらないことは嫌いなの。」

は?え?と、椿は本気で思った。
いや、同好会らしきものを否定されたからではない。(まぁ、それも少しあるが)
椿は驚きに目を見開いたまま固まった。
なにしろ。
学校中で「冷静で美麗な容姿をもつ生徒会長」というフレーズで人気を集めている幸亜が、「馬鹿みたい。」「くだらない。」なんて言葉を吐いたのは今が初めてなのだ。(たぶん)

すごい形相をしている椿を見て、幸亜は我に返ったような顔をした。
「っ・・・・と、今のは冗談よ。でも、同好会みたいなのはこの学校では許されてないのよ。ごめんなさいね。」
苦笑いしながらそう言って、「では・・・。」
行ってしまった。

しばらくそこに立ってぼーっとしていた椿の脳内は、かなりといって良いほど動いていなかった。

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