ある女の子がいました。 彼女は特別な力を持つそうです。 ある日彼女は閉じ込められました。 彼の手、義理の父親によって。 彼女は泣くわけでもなく笑い続けました。 狂ったように何度も。 朝夜時間を問わずある夜が明けてしまう。 彼は狂った彼女を始末しようと決心する。 『もう一度この手で彼女を…』 追憶は所詮幻想。 甘い甘い偽り。 彼女の手は淡い赤色で染まる。 閉じ込められている檻の外へ手をかけても、赤色の液体で滑り堕ちてしまうだけ。 彼女が一度だけ愛した日。 その証はどこに刻むべきか─ 永遠に私のモノとなる証。 檻の中で怖い怖い夢を見る。 彼は言う。 ごめんね、と。 愛しかった彼女。 彼女には不思議な力があった。 だから、封印するため。 殺した。 永遠に殺し続けないと…。 けれど彼は彼女の存在までは消そうとしなかった。 物語として彼女を葬ったのだ。 くすくす くすっ 『その檻の中にいるのはだぁれ?』 彼の耳に聞こえぬはずの声が今日も聞こえる。 【END】 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |