ルース・エリス（Ruth Ellis 1926年10月9日生）［イギリス・クラブホステス］
北ウェールズの海辺の町リル生まれ。既婚のフランス系カナダ人との間に子供をもうけ、子供を養うためにロンドンでヌードモデルの仕事につく。1950年11月、マンチェスター出身のジョージ・エリスと結婚したが、ルースは酒癖が悪い夫にしばしば暴力を振るわれていた。
1953年9月、ルースがホステスとして働いていたナイトクラブに客として入店した実業家で自動車レーサーのデヴィッド・ブレイクリーと知り合う。デヴィッドには婚約者（資産家の娘）がいたが、二人は恋人関係になり、やがてルースは妊娠する。ところが、それを知ったデヴィッドは暴力を振るうようになり、ついには流産させられてしまった。
1955年4月10日、ロンドン北部ハムステッドにあるパブで友人と飲んでいたデヴィッドが外に出たところを拳銃で射殺した。犯行に使われたのは38口径のスミス&ウェッソンで、ルースが以前より射撃場で練習をしていたという説もあるが定かではない。
事件の公判は、1955年6月20日にロンドンの中央刑事裁判所で開かれた。「痴情犯罪」として評判になり、ルースの弁護側は「嫉妬に基づく衝動的殺人」として故意による殺人を主張するつもりだったが、ルースはあっさりと計画的犯行を認めてしまった。彼女に同情する声が高まり、処刑に反対する抗議運動まで巻き起こったが、それからわずか3週間後の1955年7月13日、ホロウェイ刑務所で絞首刑が執行され、20世紀15人目にしてイギリス最後の女性死刑囚となった。
1985年、この事件を題材にした映画『ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー』は、カンヌ映画祭ヤング映画賞を受賞した。
1955年7月13日死去(享年28)
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