阮玲玉（ロアン・リンユィ 本名：阮鳳根 1910年4月26日生）［中国・女優］
上海生まれ。1925年、16歳の時に映画会社・明星影片公司のオ－デションに合格し、映画界に入る。1929年の映画『故都春夢』の主役に抜擢され、映画の大ヒットとともにスターの階段を上っていく。一方、私生活では張達民という資産家の息子と交際、後に結婚したが、張が道楽者のプレイボーイであることに悩んでいた。
1930年に映画会社・聨華影業公司に転属すると、映画『野草閑花』で古い思想の殻を打ち破って結婚の自由を得ようとする女性を演じ、抜群の演技力とその美貌で一躍人気女優となった。しかし、1935年に映画『新女性』が上映されると、阮玲玉が演じた主人公（マスコミの中傷によって自殺に追い込まれる音楽教師）に世論の非難が集まり、マスコミは阮玲玉自身の私生活までもスキャンダラスに報じた。阮玲玉は1933年に張達民と協議離婚した後、妻子ある別の男性と同居していたが、張達民は協議離婚したことを否定し裁判所に提訴。裁判所は阮玲玉に3月9日に出廷するよう命じた。
出廷を翌日に控えた3月8日、阮玲玉は一連のスキャンダルを中傷する記事に耐えられず、睡眠薬を多量服用して自ら命を絶った。遺書には「死ぬ事は恐ろしくないけれど、人の言葉は恐ろしい」と記され、張達民を非難する内容も綴られていた。3月14日の葬儀では数万人のファンが阮玲玉の遺体を乗せた車を見送った。
1935年3月8日死去(享年24)
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